2018.8.03「想い」に手を差し伸べて【カタチ】にする
一人として同じ人はいないように、家族のお別れのカタチもそれぞれ
最近は担当業務をはじめ司会やアテンダントと複合的に動くことも多く、ご遺族の方と接する機会が増えました。
ご遺族の想いをお伺いするたびに、その想いをカタチにしたいとより一層思う反面、それを実現することは簡単なことではないということもつくづく感じます。
「喪主様を中心に」という軸はぶれないように心がけてはいますが、故人様へ対するいろいろな想いがそれぞれの方からあふれ出すのを、実際にたくさん見てきました。
私はその想いをできる限りカタチにしたいと常々思っていますので、ご遺族の想いを感じとりながら、担当と相談し業務にあたっております。
あるご葬儀では、故人様のお孫さんが、「棺を抱えて出棺したい」と仰いました。しかしお母さまはそうは思っておらず、お二人でご意見が分かれてしまいました。
お二人の気持ちをどうにか汲みとることはできないものだろうか…。
私は葬儀担当スタッフに相談してみました。
そうして私たちがご提案させていただいたのが、「斎場を出た扉付近から抱えられてご出棺するのはいかがでしょう?」ということ。
お二人は納得され、その流れでご出棺することができました。
また、あるご葬儀のこと。お兄さまである喪主様が、祭壇をじっと眺められておりました。
「何かご不都合などありましたでしょうか?」そっと声を掛けてみたところ、こんな答えが返ってきました。
「妹に祭壇を選んでもらってよかったなぁと思って。
本来なら喪主である自分が仕切って決めていくべきなんだろうけど、妹はお父さんっ子だったから。親父に何が似合うか、何が好きなのかは俺よりよく分かっているからなぁ」。
喪主様の妹さまを想う気持ちに、胸が熱くなりました。
家族にはそれぞれの物語があります。ひとつとして同じ物語はないのです。
ロビーに立つことでたくさんの【想い】に出合う
私は「想い」を感じるために、お式の2時間前には式場やロビーに出て、想いのかけらが落ちてないか、想いを伝えたがっているご遺族の方がいらっしゃらないか、探しています。
自分の心がけひとつで、人が人を想う場面に出会えることはたくさんあるのだな、そう感じています。
どんな小さな想いでも、そこに誰かを思う気持ちがあるなら、それをきちんと感じとりたい。
「想い」を探すために、今日もロビーに立ちます。
お葬式は一見、どれも同じように見えてしまうかもしれません。
しかし、100人いれば100通りの「想い」があり、決してどれ一つ同じお葬式はないのです。
私たち大の葬祭スタッフは、ご家族の大切な「想い」をしっかり感じとり、つなぐことを使命としています。
「想いを大切にする。エピソード」では、お葬式のワンシーンから生まれた、大切な想い出のストーリーをご紹介させていただきます。