2018.7.04最高のお別れになるよう、自分ができる心づかいを探す
ご遺族の心を和らげるために、自分にしかできないことを実践する
最近個人的に心がけていることがあります。それは、担当させていただいたご本家様には、ご葬儀が全て終わったあと個人的に書いたお手紙をお渡しするように習慣づけています。
通夜・葬儀で2日間、仮通夜があった場合は3日間、携わったご本家に対してどのように言葉がけをすれば支えになるのか常に考えながら、ご本家様と接しながら簡単でもいいから自分が携わり感じたこと、悲しい気持ちだけではない、心の機微に触れたことやそのときに生まれた感情などを言葉にしたためて、
「こちらは、私個人で書いたものです。もし良ろしければ目を通してください」と言ってお渡ししています。
それを受け取っていただいたご家族は大変喜んでくださり、手紙を読んで涙を流しながら、「ここまで予想してなかった。お葬式がただの悲しいお別れにならずにすみました。本当にありがとう」と、言葉をかけて下さいました。
そんなとき、勇気を持ってやってみてよかったと思うのです。
一歩踏み込んだことかもしれませんが、心を込めた手紙を受け取っていやな気分になる人はいないと思うのです。
自分が相手の立場に立つと分かることや感じることを大切にしていきたい、この仕事を通して、そう考えるようになりました。
先輩の流儀を知って自分なりにアレンジ。今の自分のやりがいへと繋がっていく
なぜそういったことを始めたのかというと、きっかけはある先輩にあります。
その先輩は個人的なご葬儀に足を運んだとき、香典をお出しする際、お金だけを包むのではなく、文章も添えているそうです。
先輩のそのような行動を真似して、自分も香典に文章を添えるようになりました。そうこうしていると、もっと自分らしいことができないかと考えるようになりました。
そして、今のお手紙をお渡しするスタイルにたどり着いたのです。
形にとらわれず、ちょっとしたひと手間を加えるだけで、少しでもご遺族の悲しみを和らげることにつながれば…。その思いで言葉をしたためています。
葬儀のときにイレギュラーなことをするのは「なんだか立ち入ったことしているのかな?」と、ちょっとドキドキしてためらってしまいがちです。
もちろん冠婚葬祭なので大切なルールやマナーはあります。しかし、素敵なことや喜ばれることは参考にしてもいいのではないかと思っています。
私もまだまだ失敗もするし、試行錯誤の連続です。
もし「こんなことをしてみたい」「あんなことしたら変かなぁ?」そう心の中で思っていることがあれば、ぜひ私たちにおっしゃって下さい。それを限りなく実現できるよう尽力するのが、私たちの仕事なのです。
お葬式は一見、どれも同じように見えてしまうかもしれません。
しかし、100人いれば100通りの「想い」があり、決してどれ一つ同じお葬式はないのです。
私たち大の葬祭スタッフは、ご家族の大切な「想い」をしっかり感じとり、つなぐことを使命としています。
「想いを大切にする。エピソード」では、お葬式のワンシーンから生まれた、大切な想い出のストーリーをご紹介させていただきます。