2018.4.10名前を呼んでくれたこと。そんな些細な出来事が、やりがいへと繋がる
目次
夜間搬送課の仕事に心を込める。それを認めてもらえた特別な出来事
私は、夜間搬送課に配属されて1年目です。
夜間搬送課とは、夜間にお迎えが入った時に対応する部署です。夕方から朝にかけての出勤となります。
今日は初期対応についてお話したいと思います。
紅葉が色づきはじめた初秋の頃、ある喪家さんのところへお迎えにきました。
お迎えの連絡を受けると、普段は先輩社員がサポートについてくれているのですが、その日は初めて1人で初期対応(受付)をさせていただくことになり、少しばかり不安を感じておりました。
いざ1人でとなるとさらに不安は増すばかり。しかし今まで先輩の姿も見ていましたし、自分に自信を持ちしっかりと対応すると決意し、進めさせていただきました。
安置も終わり、最後にいつも先輩がお声がけするように、私も気持ちを込めて「精一杯お世話させていただきます」と、告げて帰りました。
そして通夜が終わり葬儀の日の朝がやってきました。
これから行われる葬儀での担当者と、喪主であるご長男さんが事務所にやってきました。私はあまり出しゃばるものよくないなと思い、そっと机で作業をしておりましたところ、長男さんがこちらまできてくださり
「衛藤さん、先日はお世話になりました」
と、声を掛けてくださったのです。
私はとても驚いたと同時に、自分の名前を覚えてくれていたこと、そしてその名を呼んでいただいたことがとてもとてもありがたかったのです。
名前を呼ぶことの大切さ。日常でも相手を思いやることの素晴らしさ
実はそれから、自分が嬉しかったことを実践しようと、できるだけ相手の名前を呼んでみようと試みております。
例えば、接客していただいたショップ店員さんがとても親身に洋服を選んでくれるので、名札を見て「○○さんはどっちがいいと思いますか?」と名前を入れてたずねてみたり。たとえ、その時しか会わないであろう人でも、その瞬間は私と出会い、私に時間を委ねてくれているわけです。
そして自分がお客様側に立ってみると、想いを伝えたいと思って接してくださっている人からは、その気持ちがしっかりと伝わることが分かるのです。だからその思いに応えたくて名前を呼ぶ。
この名前を呼ぶ作業って、実はやってみると緊張するもので、間違ってないかな? 馴れ馴れしく思われないかな?と感じてしまいます。お名刺をいただいても、名札を見ても、言葉を発する直前によぎる不安ってありませんか?
名前を呼ぶという行動の背景には「礼」があり、そこには特別な密度も含まれているからこそ、呼ぶ側も少し緊張してしまうのではないかと思っています。
感謝の意を込めて名前をお呼びすることは、とても素敵なことだなと、お客様に教えていただきました。
想いを持って接客すれば、自分にさらに大きなカタチとなって還ってくる
【想いを大切にする。】が、弊社のスローガンです。
常日頃から心の中に刻んでいますが、その本当の意味が初めて分かった気がしました。想いを大切にして相手に接すると、その想いが通じ自分に還ってくるのだと。
私たち夜間搬送課は、お客様と接する時間は少なく限られています。なので自分自身は、日勤の方の「黒子」に徹するという思いでやっております。
1人で初めて行った初期対応は、ずっと忘れないと思います。
これからも初心を忘れず、お世話をしていきたいと強く感じています。
お葬式は一見、どれも同じように見えてしまうかもしれません。しかし、100人いれば100通りの「想い」があり、決してどれ一つ同じお葬式はないのです。
私たち大の葬祭スタッフは、ご家族の大切な「想い」をしっかり感じとり、つなぐことを使命としています。
「想いを大切にする。エピソード」では、お葬式のワンシーンから生まれた、大切な想い出のストーリーをご紹介させていただきます。