2017.10.31きっと届いている、大好きなおばあちゃんへの想い。
お葬式は一見、どれも同じように見えてしまうかもしれません。
しかし、100人いれば100通りの「想い」があり、決してどれ一つ同じお葬式はないのです。
私たち大の葬祭スタッフは、ご家族の大切な「想い」をしっかり感じとり、つなぐことを使命としています。
「想いを大切にする。エピソード」では、お葬式のワンシーンから生まれた、大切な想い出のストーリーをご紹介させていただきます。
思いはずっと生き続ける
先日、仕事を通じてある僧侶のご法話を聴く機会がありました。
色々と勉強になるお話を伺ったのですが、その中で「人は亡くなってからも、まだ皆さんの声は聞こえているんですよ」というお話がありました。
人は亡くなった後、体は動かなくなってもその方の「魂」は生きているということ。
私はそのご法話を聞いて以来、自分が担当するご葬儀では、「故人様にどうぞお声を掛けてください」と声がけをさせていただいています。
大切な人を「失う」という経験
先日担当させていただいたご葬儀でのこと。
故人様には、3人のお孫さんがいらっしゃいました。そのなかでも、最も年長者である高校生のお孫さんは、故人様にとっての初孫。
お孫さんが生まれたときには誰よりもその誕生を喜び、すくすくと育つ成長をいつも優しく見守り、お孫さんと一緒に過ごすことのできる時間を何よりも大切にされていたそうです。
そして、葬儀ではその彼が「お別れの挨拶」をされました。
「夏休みにおばあちゃんちへ遊びにいくと、たくさんのご馳走を用意してくれていたり、花火をしたり、お正月には一緒にお餅を食べたり…本当に楽しかった。僕たち孫はいつも可愛がってもらったし、たくさんの思い出があります」
と、おばあさまと過ごした大切な時間を、振り返るように語ってくださりました。
そして亡きおばあさまの骨壷を抱きながら
「お通夜の時は、正直おばあちゃんの姿だけ見たら、冷たくなっていたけど、おばあちゃんはただ眠っているだけなんじゃないか、まだ生きていると思っていました。でも最後の出棺のとき、おばあちゃんに触れたら、やっぱり動かなくて。ほっぺたも冷たいし、声も出さない。そしてこんなに小さい箱の中に入ってしまった。本当に亡くなってしまったんだと思いました。すごく辛いです。でもたくさん過ごした楽しい思い出は、一生心に刻まれて残っています」
と涙をこらえながらおっしゃっていました。
葬儀では、大切な人がもう自分の生きる世界にはもういない、という現実を実感する最初の日でもあるかもしれません。
まだ10代と若いお孫さんにとってお祖母様の「死」というものは捉えにくく、受け止めづらいものだったようです。でもきっと、おばあさまにお孫さんの想いは聞こえているはず。
心の声はちゃんと届いていると感じた瞬間でした。
ーー「最後のお姿でございます」という一言。
「最後のお姿でございます」
この一言は、私自身もとても辛い言葉であり、発するのにいつも勇気がいる言葉です。
しかしご遺族様にとって「葬儀」は、故人様を見ることのできる最期の日。それぞれが、それぞれの思い出を噛みしめる日。だからこそ、決して目をそらすことなく、しっかりと向き合っていただきたいと思っております。
大切な人との辛い別れは、家族の絆がずっと続いていくためのもの。そのために私たちができることを懸命にサポートさせていただきます。