2017.11.24悲しみの先にある、思い出があふれる温かい手紙
お葬式は一見、どれも同じように見えてしまうかもしれません。
しかし、100人いれば100通りの「想い」があり、決してどれ一つ同じお葬式はないのです。
私たち大の葬祭スタッフは、ご家族の大切な「想い」をしっかり感じとり、つなぐことを使命としています。
「想いを大切にする。エピソード」では、お葬式のワンシーンから生まれた、大切な想い出のストーリーをご紹介させていただきます。
海外から届いた、お別れの言葉
先日のご葬儀の際、「お別れの言葉を代読する」という大役を務めさせていただきました。
お別れの言葉とは、故人様と深く親交がある方が故人様のお人柄や思い出を語り、別れを偲ぶ時間です。
なぜスタッフである私が代読したのかをお話ししたいと思います。
異国の地で訃報を知ったお孫さん、筆を執る
その故人様にはお孫さんがお一人いらっしゃいました。
お孫さんは小さな頃からおばあちゃんっ子で、共働きの両親に代わり、故人様であるおばあさまに育てられたそうです。
幼稚園から帰ってきた時は、おばあさまが玄関まで出迎えてくれ、おやつに大分の郷土料理である「やせうま」を作ってくれたそうで、お孫さんは今でも大好物なんだとか。
そんなお孫さんは言わずもがな、おばあさまの自慢の孫。現在はキャビンアテンダントとして海外を飛び回っています。
おばあさまの容体が悪化した日も、国際線の飛行機に搭乗していらっしゃいました。2日後には帰国して、すぐにおばあさまに会いに行く手はずを取っていたそうです。
そして、届いた訃報。
すぐには会いに行けない遠く離れた異国の地で、お孫さんはさぞ悔しい思いをされたことでしょう。
そして私たちはご葬儀の打合せをしている時に、出席することができないお孫さんがいらっしゃることをご両親からお伺いしたのです。
お忙しいとは思いましたが、お別れのお手紙をメールかホテルのファックスからいただくことは可能か聞いてもらうことにしました。
そしてまもなく直筆のファックスが届きました。
ところどころに見られる文字のにじみ、思いがあふれて涙がポタポタと落ちていく様を想像するのは難しいことではありませんでした。
今回は私が代読させていただいたのですが、お孫さんの想いがつまったお手紙に、思わず気持ちが入りすぎてしまい言葉が震えましたがグッとこらえ一字一句に心を込めて、お孫さんの想いをお伝えすることができました。
今回は異例の代読でしたが、お別れの言葉はできるだけ書かれたご本人様がお読みいただけたらと思っております。
お手紙の中には書かれたご本人様の想いがどれだけつまっているのかを、今回の代読で改めて実感いたしました。
お手紙を書いている時間はその方の事だけを想い、書いた方にしか分からない色々な感情が込み上げてくるものです。そしてそれを一字一句、大切に言葉にして文字に落としこんでいるのですから。
たとえ読んでいる途中で言葉に詰まっても泣いてしまっても、それを聞いた周りの方はその方の想いを知り、自分の想いを重ねて涙して、悲しみを分かち合えるのではないでしょうか。
その人その人のなかにある想いを。今だけでなくその先にある想いに対しても大切にしていきたいと思います。
100%の想いを100%の形にするお手伝いができるように、私たちはその時々のシチュエーションに合った一番のカタチをご提案していきたいと考えております。